川南町・高鍋町・新富町をつなぐ「湿原ナビ」　パンフレット・リーフレット紹介ページ

以下の、さいとこゆ観光ネットワーク事務局発行の「湿原ナビ」」リーフレットは、現地にて入手したものです。
掲載内容は、先々変更になる場合があります。
最新情報は、公式サイト等で再度ご確認をお願いします。

東児湯の台地は希少植物の宝庫

川南町から新富町にかけて広がる台地（標高50～100m）は7万年から13万年前に繰り返し隆起して出来上がったものです。
台地には比較的浅いところに水を透さない地層があり、各地に湿地が出来ました。そこは、植物学的に極めて特異な場所となっています。
参考）日本自然保護協会等が1989年に、日本最初のレッドデータブックを作成しました。その中で「我が国における保護を必要とする種が集中している地域」として小笠原、北海道等とともに10ケ所を取り上げました。なんと、その中の一つに東児湯地区の台地の湿原が含まれています。

どんな植物があるのか一部を紹介しますと

〔1〕世界でこの台地にしかない植物（固有種）が5種ある。
タカナベカイドウ、ヒュウガタイゲキ、エダウチシロホシクサ、ホウキボシイヌノヒゲ、ヒュウガコモウセンコケ

〔2〕日本にはこの台地にしかないものが1種ある。
ハラヌメリ

〔3〕愛知・岐阜県の伊勢湾周辺とこの台地ににしかないヘビノボラズのように、九州ではこの台地にしかないものが上のものの他に5種ある。
ヘビノボラズ、シロバナナガハノイシモチソウ、サクラバハンノキ、ミズギボウシ、ミズギク

〔4〕ホシクサ類（13種）と食虫植物（9種）は日本一多様です。

川南湿原植物群落（国指定天然記念物）

湿原は約3万平方メートルで、新橋ため池と湿原植物群落から成り立ってます。
植物の種類は78科298分類群で、湿原本来の水湿性植物は約190種あります。そのうち51種が県レッドデータブック掲載種（RD種）です。昭和49年に国の天然記念物指定を受けています。
平成7年から湿原植物の保護を目的に調査や保全整備を行い、平成22年度から一般に開放されました。現在、湿原環境の改善が進んでおり、様々な湿原植物の増殖や復活が確認されています。

シロバナナガバノイシモチソウ・ミズギク・ヒュウガコモウセンゴケ・トキソウ・ネジレイ・ヤマトミクリ（以上は東児湯ではこの湿原でしか見ることが出来ない）やサギソウ、ミズギボウシ、コバノトンボソウ、ノハナショウブ、ヒメノボタン、ヒメナ工、ミミカキグサ類、クロホシクサ、ミカワタヌキモ等を見ることが出来ます。

高鍋湿原

昭和37年から42年にかけて行われた、県営高鍋防災ダムの工事により掘り下げられた場所に、近くの山林から湧水が流れ込み、湿原が広がりました。
平成5～7年に県が整備し、9年に高鍋町に移管され－般公開されました。
平成25年に本格的な植物調査が行われ447種の植物が確認されました。そのうち水湿性植物は約320種でRD種が38種あります。また、日本一小さい体長2cmにも満たないハッチョウトンボも生息しています。
保護すべき希少野生動植物が多いということで平成19年に、県条例に基づく「重要生息地」に指定されました。
東部と西部湿原から成り、東部は教育普及を目的とした湿原植物の見本園として、西部は希少植物の遺伝子保存園として位置づけられています。

東部にはホシクサ類やヒメノボ　タン、ゴマクサ、ミソハギが、西部　にはサギソウやミズトンボが多く見られます。他にもオオホシクサ、ニッポンイヌノヒゲ、ニラパラン、ミミカキグサ類、ミズギポウシ、ヘビノポラズ、クロタマガヤツリ、マルパノサワトウガラシ等が見られます。

一丁田池（上新田湿原）

大正年間に一丁田地区の皆さんが人力でつくった農業用ため池とそこに注ぎ込む流れの周辺が湿地になっています。
平成10年から池は使われなくなリ放置されましたが、植物研究家の調査で水湿性植物が約90種、RD植物が30種あることが分かり、地区の皆さんが平成19年から保全整備に取り組まれ現在固有種のホウキボシイヌノヒゲや紫色の花を聞く力ザゲルマは見事です。
今では県内唯一となったホソバニガナや群生するカガシラは貴重です。
他にもヘビノボラズ、サクラバハンノキ、ゴマクサ、ミミカキグサ類3種、リンドウ等が見られます。
※入り口や柵はなく自由に観察できます。

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